昭和50年頃、バウムクーヘンというお菓子ブームが沸き起こり、結婚式や法事などの引き出物も決まってバウムクーヘンでした。私の『しっとりバウムクーヘンへのこだわり』は、当時バウムクーヘンを口に入れた時のパサパサした食感に疑問を抱いた事から始まります。
なぜ、パサパサした食品は苦手という人が多いのか?主食である米とパンを比較すると、含まれている水分は圧倒的に米の方が多いのです。麺類とパスタを比較しても同じことがいえます。日本人は、長い歴史の中で水分の多い食品を食べ続けてきたので、食生活における唾液の量も欧米人と比較すると少ない事が解かっています。
だからこそ、パサパサに感じるのかも?『欧米のバウムクーヘンをそのまま持ち込むのではなく、日本人の舌に合ったバウムクーヘンを作ってみたい。』と思うようになりました
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『バウムクーヘンというと、誰もが想像するパサパサ乾燥したバウムクーヘンの固定観念を変えるのが、私達の夢なのです。』
独学でのバウムクーヘン修行が始まりました。美味しいというバウムクーヘンがあると聞けば、全国どこへでも出かけて行き、失敗に次ぐ失敗に明け暮れる日々が続きました。粉の配合を研究し、炎との格闘の日々が続き、もう何度も辞めようと思いました。繊細な炎の調整が出来ないと、バウムクーヘンは出来ないのです。炎に目を凝らし続けた末に、ドライアイ・白内障などの代償もありました。
でも、当時テレビのCMで『美味しい顔ってどんな顔?』というCMが流行していましたが『美味しいね』と笑顔で答えていただきたい。ただその気持ちひとつで、8年もの歳月が流れていきました。
ようやく、満足のできるバウムクーヘンが出来るようになって来ました。
しかし、商品が一貫して美味しく出来てこその商品化であり、その壁を乗り越えなくては、お客様にはお届けできません。何が足りないのか?自問自答する日々がつづきます。そんな中、知人にしっとりバウムクーヘンを食べてもらい、『もっと美味しいものがあったら教えてほしい』と頼んでもいました。
ある日、知人が「このバウムクーヘンは美味しいよ」と言って進めてくれたバウムクーヘンは、明らかに自分が焼いた『しっとりバウムクーヘン』だったのです。
自分の焼いたバウムクーヘンを口に入れた瞬間に衝撃が走った。なぜ、焼きたてのバームクーヘンと比べて美味しくなるのか?
目からうろこであった。何が足りないかに気づいてからは、迷いもなくなり、均一化した商品『しっとりバウムクーヘン』が誕生しました。もちろん今も『美味しくなれ!』と想いを込めて作っています。
そして、お客様の『おいしい!』の一言と笑顔を見ると、とても嬉しくなります。


